マイナンバー記載欄がある書類について見直しがありました
平成28年度の税制改正により、税務署、給与等支払者、金融機関等へ提出する書類においてマイナンバーの記載対象が見直されました。
これによって、必ずしもマイナンバー記載欄すべてにマイナンバーを記載しなければならないというわけではなくなりました。
マイナンバーに係る税務署への提出書類が見直されました
提出者等が税務署へ提出するマイナンバー記載欄がある書類のうち、申告書や法定調書等以外の書類についてはマイナンバーの記載が不要となりました。
マイナンバーの記載が不要となる税務署への主な書類は、以下となっています。
【マイナンバーの記載が不要となった理由】
上記の届出書や申請書というのは、申告書等の手続きと併せて提出したり、申告書等の後に関連して提出される書類です。
つまり、申告書や法定調書といった必ずマイナンバーを記載する書類があるので、付随する書類には基本的にマイナンバーを記載する必要がないという事です。
これは平成29年1月1日以後に提出すべき書類に適用となっていますが、平成28年に提出する届出書や申請書についてもマイナンバーを記載しなくても問題ありません。
【補足】
マイナンバーの記載が不要となる主な提出書類一覧
上記は税務署長等に提出されない書類ですので、マイナンバーを記載しなくても所得を把握するうえで適性化・効率化が損なわれないものとなっています。
こちらの方は、平成28年4月1日以後に提出すべき書類に適用となります。
マイナンバーに係る給与等支払者への提出書類が見直されました
給与等支払者が、給与・退職金・公的年金等の支払を受ける人(支払を受ける人及び支払を受ける人の扶養親族全員)のマイナンバーをすでに保管している場合は、マイナンバーの記載が不要となりました。
マイナンバーの記載が不要となる給与等支払者への提出書類は、以下となっています。
今回は、④(平成28年分と平成29年分以降の扶養控除等申告書)を例にして解説していきます。
平成28年分の扶養控除等申告書には、マイナンバーを記載して給与支払者に提出しなければなりません。
平成28年分に関しては、必ずマイナンバーの記載が必要となります。
平成29年分以降の扶養控除等申告書も原則としてはマイナンバーを記載して提出しなければなりません。
しかし、給与支払者と従業員との間に合意があれば、平成28年分の扶養控除等申告書にマイナンバーの記載があるため、平成29年分以降の扶養控除等申告書にはマイナンバーの記載が不要となりました。
ただし、従業員本人のマイナンバーが変更になったり、新たに扶養親族が増えた場合には必ず全員のマイナンバーを新たに記載しなければなりません。
仮に、平成29年分に変更があった場合は全員(従業員本人及び従業員の扶養親族)のマイナンバーを平成29年分の扶養控除等申告書に記載しなくてはいけません。
もし、翌年の平成30年分の扶養控除等申告書が平成29年分と変更がない場合は、平成30年分の扶養控除等申告書にはマイナンバーの記載が不要となります。
前述のしたように、平成29年分以降も扶養控除等申告書にはマイナンバーを記載して提出するのが原則となっているのですが、このような特例(給与支払者と従業員との合意)ができたのは給与支払者のマイナンバーの管理に配慮したものと思われます。
【給与支払者と従業員との合意の手順】
まず、従業員が扶養控除等申告書に「マイナンバーについては、提出済みのマイナンバーと相違ございません。」と直筆で書きます。
次に、給与支払者が提出されている従業員のマイナンバーを確認し、「確認しました。」と直筆で書きます。
文言等については決まったものはありませんが、このような手順をふむことで初めて給与支払者と従業員との間に合意があったとみなされます。
マイナンバーに係る金融機関等への告知及び提出書類が見直されました
告知を受ける者(金融機関等)が、告知をする人のマイナンバー等のデータをすでに保管している場合は、マイナンバーや本人確認書類を提示するといった再告知や告知書へマイナンバーの記載が不要となりました。
マイナンバーの告知及びマイナンバーの記載が不要となる書類は、以下となっています。
なお、平成28年4月1日以後から適用となります。