海外在住の相続人がいる場合の相続手続き

海外在住の相続人がいる場合の相続手続き

海外在住の相続人がいる場合の相続手続きとは

今ではご家族に海外在住の方がいるのも珍しい事ではなくってきました。
中にはご家族の過半数が海外在住というケースも出てきています。
このように年々増加する海外在住者ですが、仮に相続が発生した場合、海外在住の相続人がどのような相続手続きをするのかは相続人全員が確認しておく必要があります。

 
この相続手続きは、決して海外在住の相続人だけでなく日本にお住まいの相続人にも大きく関わってきます。
場合によっては、遺産を相続できないという事にもなりかねませんので、身内に海外在住の方がいらっしゃるのでしたらご参考になればと思います。

もし相続が発生したら

相続が発生した場合、各相続人がそれぞれどのように分けるのかを記載した遺産分割協議書というものを作成します。
その際、遺産分割協議書に各相続人の実印を押印し、各相続人の印鑑証明書を添付しなければなりません。

 
しかしながら、相続前から相続人が海外在住であったり、遺産分割協議書が出来上がる前に相続人が海外に移ってしまうといった日本の住民票を抹消するケースですと、それとともに印鑑証明書も抹消となり発行されません。

 
印鑑証明書がないと遺産分割協議書も無効となってしまいますので、その印鑑証明書の代わりとして署名証明書(サイン証明書)を取得する必要があります。
また、海外在住の相続人が不動産を相続する等といった場合は、住民票の代わりとして在留証明書を署名証明書(サイン証明書)と併せて取得する必要があります。

 
署名証明書(サイン証明書)や在留証明書を取得する場合は、郵送等で日数がかかるため申告期限である死亡日から10ヶ月を過ぎないようにお気をつけください。

署名証明書(サイン証明書)を取得するには

署名証明書(サイン証明書)の発給方法

① 在外公館が発行する証明書と相続人である申請者本人が、領事の面前で署名した遺産分割協議書等を綴り合わせて割り印を行う方法

② 相続人である申請者本人の署名を単独で証明する方法
多くは①の方法で署名証明書(サイン証明書)の発給となりますが、あらかじめ提出先にご確認ください。

 
署名証明書(サイン証明書)申請にあたっての必要書類

① 本人確認ができるパスポート等の書類

② 署名及び拇印する遺産分割協議書等の書類

 
署名証明書(サイン証明書)申請にあたっての注意点

① 相続人である申請者本人が日本国籍を有している事
元日本人の方でも発給されるケースがありますので、直接在外公館にお問い合わせください。

② 相続人である申請者本人が直接在外公館へ出向く事
代理申請や郵便申請はできません。

③ 事前に遺産分割協議書等に署名及び拇印をしない事
事前に遺産分割協議書等に署名及び拇印をした場合、署名及び拇印を抹消した上、領事の面前で改めて余白に署名及び拇印となります。

④ 署名証明書(サイン証明書)の発行手数料は、現地通貨(1通1,700円相当)で支払う事

在留証明書を取得するには

在留証明書の発給方法

相続人である申請者本人が直接在外公館へ出向き手続きする方法
委任状を持って代理申請や郵便申請ができるケースもありますので、直接在外公館にお問い合わせください。

 
在留証明書申請にあたっての必要書類

① 本人確認ができるパスポート等の書類

② 住所確認ができる滞在許可証等の書類

③ 現地に3ヶ月以上の滞在が確認できる賃貸契約書等の書類
3ヶ月未満の場合は、今後3ヶ月以上の滞在が見込まれると確認できる賃貸契約書等の書類

④ 戸籍謄本又は戸籍抄本
在留証明書の本籍地欄に番地までの記載を希望する場合のみ必要です。

 
在留証明書申請にあたっての注意点

① 現地の在外公館に在留届を提出しておく事
居住先が確定したらすぐに提出してください。

② 相続人である申請者本人が日本国籍(二重国籍も含む)を有している事
元日本人の方は、居住証明が発給されるケースもありますので、直接在外公館にお問い合わせください。

③ 現地に3ヶ月以上滞在し、申請時も居住している事
3ヶ月未満であっても今後3ヶ月以上の滞在が見込まれる場合は、発給の対象となります。

④ 在留証明書の発行手数料は、現地通貨(1通1,200円相当)で支払う事

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